ネット民が作り上げてしまった、「スクープ」という名のマスメディア商法
表現の自由、知る権利という大義名分を振りかざせば、週刊誌の報道は、どこまでやってもいいのだろうか。示談が成立しても記事にされ、ネットで話題が広がり、関係者がさらに傷つく──メディアにとってそれは「商売」でしかなく、ネット民たちにとっては「大好物」でしかない。
たとえば、高額な示談金を払い、芸能界を引退までした今もなお、叩かれ続ける中居正広氏は、その象徴的な存在だ──。
たとえば、高額な示談金を払い、芸能界を引退までした今もなお、叩かれ続ける中居正広氏は、その象徴的な存在だ──。
沖田臥竜
2025.08.10
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悪戯に示談が持つ効力を無効化させてしまえば、今後、金銭的に被害者が泣き寝入りするケースを生んでしまう危うさがあることを考えたことがあるだろうか。私は友から聞いて、中居正広氏の女性トラブルを知っていた。文春サイドが動き出したことも知っていた。私は友に尋ねた。「これからどうするんですか?」と。友はこう口にした。
「嫌じゃないですか。松本人志さんといい、何年も前のことを一方的に持ち出されて、TVから消え去るのって…」
深くは語ることはできないが、そうして動いたのが今に続く中居問題である。私は率直に中居くんが可哀想だと思ってしまう。事の是非は分からないが、中居くんに非があったのだろう。だからこそ多額の示談金が支払われたのだろう。結果、示談が本来、当たり前に持つべき効力が発揮されず、守秘義務があると言いながら、公にされることになり、芸能界を引退することになった。それで反論すれば、痛烈にバッシングされるのである。では、全て片側の言いなりになっていなければならないのか。ただ、どこまで行っても守秘義務があるのだ。守秘義務が悪戯に振り回されていないだろうか。
示談が成立し、それを記事化すれば憶測が憶測を呼び、事実が歪曲されてしまうのは至極当然の話である。なぜならば、守秘義務が存在するからだ。