燃えるような秋から世界へ
人脈も後ろ盾もない中、ただひたすら物語と向き合い、筆一本で人生を切り拓いてきた。いまや映像化や漫画化も自ら動かし、企画から制作までを統べる希有な存在となった。燃え尽きるような夏を越え、創作活動はまた新たな季節へと突入する――。
沖田臥竜
2025.09.06
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ジョニーとの日々が始まった。いつもスタートは藤井道人監督と企画会議をやり、私が執筆作業に入り、藤井監督が編集担当になってくれて、2人でレスポンスを果てしなく繰り返す。それが一区切りつくと、ジョニーと現地へと赴くのである。
物語は唯一無二でなくてはならない。それだけに作品を生み出すその過程もさまざまでなくてはならないのだ。私はこの座組が居心地よくて気に入ってるし、いつの間にか小説を出版しようと思えば、手を挙げてくれる出版社も数社はあるようになった。
10年前、とにかく小説家になるために本を出したかった。人脈もツテもない私にとって、まるで雲をつかむような話だった。だけど、諦めることなんてなかったし、今の自分を想像することもできていた。それだけ努力してきたことを私だけは知っていた。悪いが今、全ジャンルの物書きの頂点に君臨するのは私である。私は筆一本で人生を切り拓いてきた。
これから出版ラッシュ、リリースラッシュが続く。激しく燃えた夏が終わり、私たちの秋が始まった。