被害者を加害者に変貌させてしまう世界線

近年、芸能界と週刊誌との関係が再び注目されている。当然ながら、報道の姿勢は週刊誌ごとに異なる。たとえば、松本人志への対応では、「女性セブン」は「週刊文春」と明確に異なる立場をとった。その背景には、一方の声だけで人を追い詰めることへの疑問や、強い権力に抗おうとする姿勢があった。つまり、報道に携わる者としての揺るぎない信念が、そこには確かにあったのだ――。
沖田臥竜 2025.07.03
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 SMAPが解散し、TOKIOも解散した。そして誰もいなくなった……なんてことにならないだろうな。

 いつも事態は水曜日に起こる。それは「週刊文春」の早刷りが出回るからだ。文春サイドも早刷りの流出を特定するべく色々な策を講じ、その成果と言えば良いだろう。いくぶんか、文春の早刷りが出回るのは遅くなった。早刷りの流出を文春サイドが躍起になったのは、論じるまでもない。売り上げ部数に影響していると考えたからだ。確かにそれも一理あるだろう。だが、それはあくまで一理にすぎないだろう。

 業界2位まで登りつめた「女性セブン」の早刷りなんて殆ど回ったことがない。なぜだか分かるだろうか。芸能人を差し込む事だけを目玉にしていないからだ。そりゃ完売だってするだろう。突然、何年も前の事実かどうかも明確にできないまま、芸能界のトップに君臨する芸能人が週刊誌の記事で姿を消すことになれば、売り切れにだってなるだろう。

 業界2位まで部数を伸ばした私の友人。女性セブンの編集長は生前、松本人志問題、中居問題について、こう漏らしていた。

「いやじゃないですか。片側の意見だけで芸能人が消えるのなんて……」

 私はその言葉に人間味を感じた。そしてジャーナリズムの鉄則を感じることができた。友人が編集長を務めたのは、たった1年半だった。だが、私は女性セブンで友人と共に仕事をできたことを今でも誇りに思っている。

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