あれからの10年

渡世を歩んでいた頃から特別な関係にあった“叔父貴”。そして、足を洗って10年。その人とは別れは突然だった。あの何気ない会話は、もう二度とできない…。
沖田臥竜 2024.04.29
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 あれから10年が経とうとしている。

 10年前に今の自分を、人間関係も含めて、想像することなどはできなかった。得たものと失ったもの。それでも過去に戻ってやり直したいかと言えば、もちろん要所、要所で軌道修正したいところはあるとはいえ、今に向かって突き進むほうを選ぶだろう。だって、時が戻ってしまうとどうしても困ることもあるし、同じことをもう一度やれって言われても、絶対に嫌というくらいは努力してきた。それに人の成長にしてもそうだ。

 叔父貴は幸せだったのだろうか。引退した親分の80歳の誕生日に、叔父貴が死んだことを聞かされた。もしも叔父貴に欲があれば、本家のプラチナになっていてもおかしくない人であった。

 携帯を持っていなかった叔父貴から最後に電話があったのは、今年の1月のことだった。

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  • 最後の松野組若頭
  • 長生きだけが幸せかと言えば…

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