オレとジョニーときどきフク〜バンコクは40℃にて〜②

とあるプロジェクトでバンコクを行き来することになった沖田臥竜。一緒にプロジェクトを支えるジョニー、フクといった仲間たちとの徒然なる日々を現地からお届けするエッセイの短期連載。
その微笑みの国では、日本とは異なるアツさのもと、日常的な出来事も、非日常に感じられることも多いようだ――。
沖田臥竜 2024.06.05
読者限定
タイ・バンコクより

タイ・バンコクより

 異国の地で、彼に委ねた私がバカであった。

 5月8日

「沖田さん〜どうしますかっ?」

 現場終わり、たずねてきたジョニーに首を傾げた。

「う〜ん。そうやな〜。マッサージ行って風呂やな〜」

「おっ!ゴールデンコースですね!だったら風呂からのマッサージですよ!一日の疲れをスパでスパッと洗い流してからマッサージですよ!」

 それが嫌だったのだ。ジョニーのエセ英語は、全くタイ人に通用しない。なんだったら、英語のできない私のほうが、タイ人のタイ語を聞いてジェスチャーで説明できるほどである。

「あれはウケたな〜。英語の全くできない沖田さんがタイ人のキャビンアテンダントに、ビアー!って言うのに、未だにビール来ないって。あれっ使っていいですか!」

 私の不安などジョニーはつゆとも知らず、にやけた表情で近くのスーパー銭湯をググっていた。

「やっぱりあかん。またタイ式マッサージ行って、オイルをベタベタに塗られたら気持ち悪い。先に風呂や」

ジョニーの「ノーオイル〜オッケー?イエスイエス」はタイでは通用しない。

「風呂に浸かってからマッサージだとスッキリするのにな〜」

 分かってないな〜といった表情のジョニー。結局、それが一部正解ではあった。

 指圧されている私の横のベッドで「沖田さん。痛ければ言ってくださいよ。ぼくが伝えますんで〜」と言ったのも束の間だった。ジョニーはのび太くんだったのか。いびきをかいて爆睡し出したのである。そんなことでは、私はもうびくともしない。慣れたものである。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、2456文字あります。
  • 腹痛と「軍事会議」

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
某芸能プロダクションの復権で暗躍する事件師
読者限定
オレとジョニーときどきフク 〜バンコクは40℃にて〜
読者限定
微笑みの国 ーバンコクー
サポートメンバー限定
有料会員に送るー最新の禁断の裏事情ー
サポートメンバー限定
生きていくことが辛い夜に
サポートメンバー限定
メディアのカテゴリー対する違和感
読者限定
あれからの10年
サポートメンバー限定
モノづくりと人間関係【premium会員限定動画】