4年の歳月を経て躍動する「迷宮」と4週連続で対峙する週刊文春

「週刊文春」が独走する、木原誠二官房副長官夫人の前夫をめぐる不審死事件。今週も同誌は、あらたな情報を突きつけてきたが……この事件を4年以上も前からウォッチしていた沖田臥竜にはどう映るのか? 「迷宮」入したと思われた事件は、本当に解明されることはあるのか?
沖田臥竜 2023.07.27
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沖田臥竜『迷宮』より。現在入手困難の同書は『サイゾーブックストア』等で購入可能。

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 札幌(すすきののホテル客室で首を切断された男性の遺体が見つかり親子3人が逮捕された事件)が弾けたので、「週刊文春」はトップに札幌を持ってくるだろうと思われたが、今週も木原誠二官房副長官妻の前夫不審死事件を持ってきた。そこには、木原官房副長官の代理人がメディアに出した【ご通知】に対する意地が垣間見える。

 だがどうなんだろう。今回の文春は、木原夫人を取り調べた、取調べ官を連れてきて証言させているのは、確かに記事としては強いだろう。だが一方で、新たな疑惑として、Zを登場させている。理由はどうであれ、別に真犯人(実行犯)がいる説である。

 はっきり言って、真犯人がいれば、めちゃくちゃ怒られるぞ。今までの木原官房副長官の妻に疑惑の目を向けておいて、「あんた本当は殺してないよな」が事実ならば、ずっこけないか。

 はっきり言うが、新たな真犯人なんているわけがない。確かに元警視庁の捜査一課で、木原官房副長官の妻の任意による事情聴取を担当した取調べ官、佐藤誠氏の評判は捜査一課でも悪くない。むしろ優秀だという高い評価が多いくらいだ。しかし今回、文春の取材に応じ、「オレは去年退職して第一線を退いた。失うものなんてない。職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ? そんなことは十分承知の上だ。それより通すべき筋がある。現役の奴らの想いがある。もう腹は括った。おれが知っていること、全部話すよ」って、暴露系YouTuberか。

 腹を括ると大層なことを言うならば、失うものがあるときになぜ括らなかった。2018年に再捜査が始まり、再び迷宮入りすることになったときに、なぜ括らなかったのだ。

 少なくとも、あの段階で世論に対して、今回のような話していれば、状況は確実に変わっていたぞ。地検だってすんなり食わないとはならなかったはずだ。世論の後押しだって、もっと得られたはずだ。30人以上もの捜査員を投入し捜査したと言うが、オレはたった2人でそれを調べていたのだぞ。誰も協力なんてしてくれなかった。それでも必死に食らいつき、わずかな点と点を繋ぎ合わせてきたのだ。事件に携わった刑事が話すのとは訳が違う。そんなもの知ってて当たり前ではないか。それを今になって、後輩のため、筋を通すとは何を言っているのだ。そんなことで利用されたら後輩たちも迷惑ではないか。

 だってそうではないか。警察官だったのなら、職務上で知り得た秘密を守るのが最低限の筋ではないのか。その筋を曲げるのならば、今だったのか。違うだろう。失うものがあった2018年だったのではないのか。あそこでなぜ立ち上がって見せなかったのだ。そこまで納得できなかったのなら、そのあとの4年間何をしていたのだ。で、今さら筋だの、失うものがないだのとは、暴露系YouTuberとどこが違うと言うのだ。

 はっきり言って、オレにとっては、この事件が特別なわけではない。数あるうちの一つにしかすぎない。

 ただ、亡くなった安田種雄さんが、雑誌の人気モデルとして活躍していたというのは、言い過ぎではないのか。覚醒剤が体内から検出され、借金があったなどはムシなのか。

 文春の取材能力は確かに高い。オレの中でも信ぴょう性の高い週刊誌だ。だが、あまりにもムキになり過ぎてしまって、方向性が一貫していないのではないか。遺族に記者会見させれば、亡くなった安田種雄さんの人間性を悪くは書けまい。その観点からすると、文春の主導で遺族に記者会見させたことに、オレは意味を見出せないのだ。

 もう一度言う。誰も取材に着手していないとき、オレはたった2人で事件を調べていたのだ。経費なんて1円も出なければ、そこに正義なんて掲げてもいなかった。ただ本を出すという執念で選んだジャンルが未解決事件だったのだ。それは何も今回の不審死事件が特別だったかと言えばそうではない。早いとか4年前に知っていたとか、そんなものは評価とも思っていない。ただ、数ある事件や話の一つにしかすぎないのだ。それは情報が早いね、とかいうそんなノロマな話ではない。自負として、オレは人に真似のできないことをやっている。

 ただ本当に背中、右肩甲骨から首元にかけて、自分で刺して死ねるだろうか。

 そして、肝心なことに目が曇り誤解されているが、この不審死事件で、一切無関係だったのに、たった1人で戦い続けている人物が存在する。それが木原官房副長官なのである。

 ようやく文春が書いてくれたので書くが、警察が再捜査を始めた際、木原官房副長官は、二階さんから「真実かどうかは別として弾けたらどうするんだ。今のうちに別れておけ」と言われても離婚しなかった。すでに2人の間に子供が誕生していたからかもしれない。だが、当時の木原官房副長官からすると、自民党の幹事長だった二階さんは頭が全く上がらないくらいの立場の上司だ。その二階さんに言われても別れなかったのだ。結果、随分と木原官房副長官は冷飯を食わされてきたのだ。

 佐藤さんは「やれるもんならやってみやがれ!」と憤ったようだが、オレが木原さんの立場だったとしても、大事なものを傷つけようとしてきたら、持てる全ての力を行使してでも全力で戦うだろう。今の佐藤さんと当時の木原官房副長官。オレは木原官房副長官のほうが、男であったと思うがな。

ネタは尽き始めているのに、トップ記事で勝負に出た文春の意地

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