木原誠二vs文春終焉か ー祭りのあとー

木原誠二官房副長官やその妻をめぐる疑惑を追及し続けてきた「週刊文春」。一部の世論の盛り上がりをよそに、当事者たちは沈黙を貫き、問題は収束に向かっているようにも見えるが…。
この騒動とはなんだったのか? それらを生み出した文春の体質やポリシーとは? そして、“祭り”はいつまでに続き、そのあとに何が残るのか?
沖田臥竜 2023.08.11
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沖田臥竜『迷宮』

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 所詮、記者はヒットアンドアウェイである。普段は仲が良くても、親しき仲にもなんとかで、刺しにいくときは刺すのが、記者なのである。それをオレはひどいとも薄情とも思わなくはないが、それが仕事なので仕方あるまい。

 逆もそうではないか。刺される側。つまり報じられる側は、政治家にしろ、芸能人にしろ、スポーツ選手にしろ、著名人は華やかな世界で生きており、週刊誌やネット媒体を下に見ている側面がなくはないだろう。

 良いときだけは利用して、悪いことは「書くなよ!事務所を通せ」となどと偉そうに言われたら、誰だって「なめやがって、見てろよ」となりはしないだろうか。つまり、大事なのは調和なのである。

 社会的に見たときに、どちらも必要とされているから、存続しているのだ。そこに上下を作ったりするから、必要以上にトラブルことがあり、そこにまた新たな魑魅魍魎を誕生させてしまうのだ。

 例えば、それが昔でいうところの総会屋だろう。

 この仕組みを理解していれば、本当は世に出なくて良かった話しはあったはずだ。だが、出てしまうということは、それだけのネタであったり、人間関係のトラブルであったり、誰かが生きていくためであったり、さまざまと言えだろう。

 木原誠二官房副長官と文春の前編集長らは、悪い仲では決してなかった。文春にも一つの暗黙のルールが存在し、いくら事件やトラブったとしても、本誌で仕事している人間のことは触らないということだ。本誌とは、よく誤解されているが、「週刊文春」のことではない。文春のいうところの本誌とは、月刊誌の「文藝春秋」のことだ。

 文藝春秋社から本を出したり、本誌で連載している書き手は同社では「先生」となり、文春が、彼らにスキャンダラス記事を撃ち込むのは、タブーとされている。

 だが、それが必ずしも守らるかと言うとそうではない。いくらトップダウンが組織の鉄則とは言え、上層部から「いいか、お前ら、これは記事にするなよ!」と言われれば、現場は「なにを!」と反発を覚えるのは、何も出版社や週刊誌だけではない。

 どんな組織であったとしても、「そう言うならば、徹底的にやってやろうか」となるのが普通だろう。

 なぜならば、それが罷り通ってばかりいれば、現場の士気が下がるからだ。

 これまで、その時、その時、芸能界のドンなる人間がおり、「ワシに任せとけっ!」といたように思われているが、何のことはない。週刊誌やネット媒体がそんなものに屈していれば、ジャーナリズムなど存在しない。主に金銭的な話などで話し合っていただけだ。オレはそれを見苦しいと感じる人間だろう。逆に偉そうにしやがって、と感じてしまう。

 だからこそ、物書きの鉄則として、取材対象者には絶対に金をもらってはならないというのがあるのだ。ペン先が緩むからだ。一度でも金を貰って原稿を書けば、「あいつは金を貰って原稿を書くやつだ!」と書き手業界でレッテルを貼られ、蔑まれるのだ。ただでさえ、書き手業界は地味な作業の積み重ねなので、嫉妬や妬みが蔓延している業種で、古い書き手ほど、悪戯に仁義なんてことばを使いたがる。

 さて、前置きが長くなってしまった。個人的にオレは全てを自分の人間関係で考えている。それで損をしようと得をしようと、全ては自分で昇華させて生きている。誰かに頼られたとき、銭金でなく、「任しとけ!」と言えないなら、そんなもん男ではない、と考えている。

 これまで、どこの週刊誌も、政治家だけには手厳しく書き潰すことができていた。さらに、永田町には、不倫や酒の不祥事は3日経てば世の中は忘れていくという習わしのようなものがあって、政治家たるもの、生まれたときから家庭環境が違う人々が多く、ときの総理大臣など、毎回あれだけで書き潰されても、精神的に参っているような姿などは見せることがない。それほど精神力が尋常ではないのだ。

 そもそも、彼らは公人中の公人だ。だからこそ、報じる側も書けるのだ。書くことによって病んでどうにかなってしまう相手に、利害関係がない中で書き潰せるかと言えば、なかなか難しいことだ。

 そうした政治家相手にやってきた手法をある意味、準公人といえる芸能人やスポーツ選手、著名人にやり出したのが、文春という週刊誌と言えるのではないだろうか。

 それだけに文春は他の週刊誌とはそもそも体質が違い、そこと比較しても実を言うと野暮な話なのである。

 木原誠二官房副長官の奥さんの元夫の事件を文春がぶち抜いたとき、他のメディアに携わる人々は例外なく冷ややかな目でみていた。唯一の例外はオレだけだろう。

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