インフォーマからの伝言ー相談編ー

大手予備校・河合塾からの依頼で、講演会を5月21日に開催することになった。
いっときは社会の底辺を這いつくばっていた人間は、気がつけば、若者たちに自分の知見を語りかける立場になっていたのだ。
そのような、ここまでの道のりで強く意識してきたことがある。
人から相談や頼み事をされたら、ことの是非に問わず、その人の立場になって、何をすべきか考え、行動するということだ――。
沖田臥竜 2023.05.11
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河合塾で行う文化講演会の詳細は、同塾のHPにてご確認を。

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 もう少しであった。もう少しで北海道に取材込みで初上陸できたのに、この私をもってしても料理することが出来なかったのだ。無念である…。

 ネタ的に嫌な予感は当初からあった。私という人間のスタンスは基本的に、困っている人が相談してくれば、ことの是非よりも私を頼った側に立って、どうにかできないかと考える。

 それはそうだろう。困っているからこそ、私に相談してくるのである。男だったら状況が悪くても「オレに任しとかんかいっ!」と胸をポンと叩きたくなるのが人情ではないか。

 その相談ごとには多種多様で、言えることもあれば、言えないことだってある。

 そもそも私はそう言った会社を経営しているので、さまざまな相談ごとや厄介ごとが持ち込まれることが多い。ただ受けた以上は、だいたいのことは何とかしてきた。それで得たものは、私の場合、金銭的なことよりも、信頼と人脈ではないだろうか。

 お陰様で、弊社の台所事情はいつだって火の車である…。私とて人間である。結果として損をしているなと頭に来ることももちろんある。

 でも、それが私の性格なのだ。上手く付き合っていく以外術はない。だってそれが私という人間なのだ。今の世の中、損を承知で生きていける人間がどれだけいるだろうか。

 人はお人好しと言うかもしれない。頼んで来ておいて、「それはおかしいだろう」と言えば、避けようとする人間も少なくない。でもだ、だからこそ、こんな私を大切に思ってくれる人たちがいるのだ。

 そこで結ばれた信頼関係に、私は忠実でありたいと思っている。

 少し自画自賛が過ぎたが、まあご愛嬌ということで許してやって欲しい。

 北海道の取材の相談が入ったとき、これは一筋縄ではいかないことは、リサーチすればするほど明確だった。このネタを取材しようとした友人たちは、全員が全員、関わらない方がよいですよ、と口にした。逆に言えば、逆クロスでならばさし込むことができた。それだけ背後関係が胡散臭かったのだ。

 だが、反目に回ることはもちろんできない。だからと言って北海道に行きたいが為に、肩入れするのはあまりにも無謀過ぎたのだ。北海道行きに未練を残しながらも、私は撤収することを決めたのだった。

 今回のネタは悪かったが、一度きりの人生である。どうせならば人に頼りにされ、相談される人間になってはどうだろうか。損することも多いし、頭に来ることも多い。それでも人に頼られる人間になってみろ。それも若いうちからだ。何故ならば、それが上手くいったとき、自分で自分を誇れることができるからだ。今の世の中、自分で自分を誇れる人間がどれだけいるだろうか。

 私は、底辺からここまでやってきた人間である。

 困れば、いつでも言ってこい!きっと私は約束すれば、どんな困難にだって、一緒に立ち向かおうとするだろう。

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  • 武器を探して、人が真似できないまで磨き続ける

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