週刊誌ごときと蔑まれるがー
都市伝説を語るYouTuberとして130万の登録者を誇り、回るときには300万再生を超える屈指のたっくー。いつもなら、身近で起こった怖い話しを伝えると、彼は決まって陰謀論までに展開してくれ、伝えるこちらとしても実に心地良い思いをさせてくれる。
そんな彼に今回も喜んでもらおうかと、身近で起きた奇妙な話しを伝えると、なんとびっくり。非情なまでの返しで、無惨にもバサリと切り捨てられてしまった。
「そうそうこの前、こんなことがあってん。昼から9時間呑んでて、帰って寝ててんやん。そしたらやー」
「それはただの飲み過ぎです」
「いや違うねんてー」
「いえ。9時間は飲み過ぎです」
それを言われてしまうと、身も蓋もないのだが…確かに9時間は飲み過ぎた…。
余談が過ぎた。同じメディアでも、TVに出ているコメンテーターやジャーナリストとか呼ばれる胡散臭い人種はすぐに、「小銭欲しさに週刊誌にまたネタを売ったんですよ」などとしたり顔で言うが、そもそも週刊誌に限らず、ネット媒体にしても、第三者からの情報提供はあっても、そんな容易く情報を買ってもらえるほど、書き手業界は甘くない。
というよりも、私は一時、TVコメンテーターの仕事もしていたので知っているが、お前らこそ、三万くらいの出演料を貰って、ワイドショーなどで適当な気の利いたセリフを並べて小遣い稼ぎしているではないか。
そもそも毎週、当たり前のように発売されている週刊誌だが、その制作過程は決して、「たかだか週刊誌風情がー」と何も知らない人間たちに言われるほど甘くはない。
ましてや、「ぼくは、何かあれば、●●さんに頼んで記事を潰してもらうんですよ〜」と3年前の初対面の際、◯◯◯は私に向かって言ってきたが、そう易々と記事を潰せるのならば、週刊誌のスキャンダルで消える芸能人なんて存在しない。
良い悪いは別として、残酷にもスクープをぶちこまれ、スクープを打たれた著名人の人生を狂わしているのは、ジャーナリスト風情の愚にもつかないコメントと見せかけた井戸端会議での一言ではないことは、これまでの歴史が証明してきている。
週刊誌を蔑む者は多いが、それが週刊誌サイドを余計に刺激していることもあるのだ。スクープを打ち、誰かの人生を狂わすのは決して誰しも本意ではないが、あまりにも粗末にされれば、良い気がしないのは、人間として当たり前の感情ではないだろうか。
スクープを打つ側と打たれる側、蔑む側と蔑まれる側…その間に挟まれときの苦労はいつも報われないものである…。今回はそんなここだけの話し。
あるプロジェクトのため、東京に滞在する日が増えている。今日は早稲田大学のキャンパスを望む部屋で執筆。