ドーピング問題に言及する

7月28日に行われた格闘技イベント「超RIZIN.3」で、朝倉未来に圧勝した平本蓮。だが、その後、平本にはドーピング疑惑が湧き上がる。本人はいまだ沈黙したままで、RIZINによる検査結果もまだ出ず、騒動は収束を見せる兆しがない。果たして、この問題の本質はどこにあるのか?
沖田臥竜 2024.08.24
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「超RIZIN.3」より

「超RIZIN.3」より

 これだけは言っておきたい。格闘技に限らず努力して身につけたものは、誰にも奪うことはできない。

 今まで会場で観た格闘技で一番興奮した試合が、先日の朝倉未来vs平本蓮であった。ABEMAのプロデューサーの方に招待して頂き、席もとてつもく良い場所だった。その感動と興奮を生で、次の世代と一緒に観ることができた。その感動は私にとってかけがえのないものであった。

 ドーピングについて、野球に例えて分かりやすく解説したい。RIZINのドーピング問題にここぞとばかりに湧いて出てきた専門家。すまぬ。黙れ。

 ステロイド時代と言われた90年代中盤から2000年代中盤にかけて、大リーグでホームランの本数が爆上がりした時代があった。これはバットの芯でボールをとらえなくても、パワーだけでスタンドに放り込むことができたからだ。それほどの威力がステロイドにはある。まず体型を見れば一目瞭然だろう。人間の身体はトレーニングで鍛えたくらいでボディービルダーのようには絶対にならない。これは断言して言えることだ。

 その後、大リーグはドーピング検査を強化させ、それと同時にドーピング野球は終焉をむかえ、爆発したホームランの本数は一気に減少することになった。

 ドーピング野球が今も尚、続いていたならば、ここまで日本人プロ野球選手が大リーグで活躍することは、もしかすると出来なかったかもしれない。

 だが、大リーグの先駆者である野茂英雄は、ドーピング野球について過去にこう応えていた。

 「反対も賛成もない。あくまで自己責任」。その言葉の裏側には、プロは結果が全てだと言いたかったのかもしれない。そしてプロである以上、相手がどのようなことをしていても負けれないのだと言いたかったのかもしれない。

 ドーピングと聞いて私がいつも思い出すのは、1988年のソウルオリンピック。カール・ルイスとの対決で注目を集めたベン・ジョンソンのことだ。ベン・ジョンソンは競技後のドーピング検査で陽性反応が出たことにより、金メダルも記録も剥奪されることになった。

 そして4年後の1992年。バルセロナオリンピックに出場した彼の姿にソウルオリンピックの時の面影はなかった。結果もメダルどころか、決勝すら進むことができていない。

 どの競技においても、ステロイドを投与することで飛躍的に結果を出してしまっているのは確かだ。

 だが、どれだけドーピング検査を強化したところで、撲滅できるかと言えばそれは無理な話しだ。

 陽性反応が出ない成分が次から次に使用されていくからだ。

 おもしろい話をしてやろう。その昔、ある点滴を2時間打てば、尿検査されても覚醒剤の陽性反応が出ないなんて話もある。それは存在していた。

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