3年の月日を経て爆誕した『迷宮』外伝ーある日のことー

文京区変死事件のほか、さまざまな未解決事件の深層に迫った『迷宮』が重版出来となったが、本書には収められていない最新の未解決事件に沖田臥竜がかかわることに――。その舞台裏を初公開する。
沖田臥竜 2023.08.20
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 それは盆休みに直撃した悲劇とでも言おうか。

 マーケティングにおいて、必ずしも狙い通りにいくなんてことなんてことは少なく、だいたいが「ダメだったか…」となるのが、普通である。

 ただ、私の場合はある程度、未来の自分の予想は出来ている。

 幸せの定義は人それぞれだが、未来の自分と今の自分とを比較して想像したとき、はっきり言ってたいして変化はない。何故ならば、生きるということは、どこかで不安と共存しながら歩むものだからだ。

 細かな点や過程は理想通りではないが、二十数年前、今の姿を予想は出来ていた。それはそうだろう。人よりも努力してきたからだ。努力してきた人間が必ずしも報われるわけではないことは、誰だって理解しているだろうが、ならば何故、私はそれを予測できていたか。決めていたからだ。力ずくでもそうしてやるのだ、と自分で決めていたからだ。

 結果として、うまくいくときもあれば失敗するときもあったが、はっきりと理想の場所はイメージできていたので、めげたりすることはなかった。

 そして私は、大事なことを自然体で理解できていた。困っていた人がいれば利害関係なんてどうでも良い。全力で力になってやるのだ。人ができないことをやってみせるのだ。それが終われば、また物を書くのだ。一見、理想と人助けは全く関係ないように見えるが、そうではない。それこそがビジネスに直結するのだ。すぐに自分の利益を考える打算的な人間は物事を目先でしか捉えることができず、いくら綺麗事を並べても見透かされているのを理解できていない。

 どんな業種であったとしても、そんな人間の変わりなんていくらでもいるのだ。

 困っているときに力になっても、それをいちいち相手に分かってもらう必要はない。

 何故だかわかるだろうか。相手にしてるのは、世の中だからだ。

 人間は生き物である。社会は生き物の集合体で出来ている以上、何年後にはこうなって、何十年後にはこうなるなんて、たった1人の人間が予想しても、それが思い通り的中することは断言するがない。

 だからこそ、そこに不安や苦しみが生まれ、ある者は敗北し、心を砕いてしまうのだ。

 それでも私は同じことをやり続けた。難しいことではない。何をするにもまずは自分が人よりも頑張るのである。そうすれば、世の中も人もいつか必ずついてくる。それを難しい言葉を並べて難しく話す人間ほど、私は無学です、と宣伝しているにすぎない。

  拙著『迷宮』が突然、フューチャーされたとき、急遽、重版が決定したが、印刷屋が盆休みに入っていたので、話題に合わせて、刷ることができなかった。それを本来ならば、不運と大抵の作家は嘆くであろう。だが私はそんなことはどうでも良かった。生きていくにはもちろん金は必要だろうが、お人好しと金は直結しないものである。純粋に携わってくれた人たちと「すごいね!」と喜び合えたことが、いつか必ず財産になるのである。

 ある未解決事件について。まだどこにも記していないことを重版の記念に少しだけ書き添えたい。懸賞金もかけられた未解決事件だ。結果的にシロだったが、それを潰しきるために影で当局を動かしたのは、実は私であったことを誰もしらない。

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