マンガを愛する人々へ―再生へのメッセージ―

マンガワン編集部をめぐる騒動は、潜在していた不祥事をもあぶり出し、その波紋は今なお広がり続けている。なかでも、多くの作家たちが同社との付き合いを見直すと表明した事態は極めて重い。こうした歪んだ構造を生み出した源流は、一体どこにあるのか。自らも当事者として編集現場の内情を目の当たりにしてきた作家が、当該編集者、そしてマンガを愛するすべての人へ向けて、再生への痛烈なメッセージを送る。
沖田臥竜 2026.03.17
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多くの作家を招いて開催された小学館の懇親会では、作家をリスペクトする声が聞かれたが……

多くの作家を招いて開催された小学館の懇親会では、作家をリスペクトする声が聞かれたが……

 これだけははっきり言っておきたい。作品に罪はない。作家誰しもが情熱を持って生み出しているのだ。

 問題点を大きくまとめてしまうと2点だと思う。道義的に許されぬことを隠してやっていた点と日頃のマンガ家に接する編集者の対応ではないか。

 隠してやっていたことはもちろん悪いが、その問題を受けて、「マンガワン」で連載していた多くのマンガ家が連載を取りやめる声明を出したことは、さらに深刻に捉えるべきだろう。この状況を見て、編集者が作り手である作家と日頃から信頼関係を築けていたと本当に言えるのか。

 もしも、見直すと言うならば、そこからではないのか。作家との信頼関係を真摯に築くことではないか。現状の作家vs編集部のような構図を世間に曝け出して、誰も得なんてしていないのだぞ。

 少なくとも私はこれまでマンガワン編集部を信頼するなんて、とてもじゃないができなかった。

 当然ある。私が原作を手がける作品の連載開始が、予定よりもずっと遅れていたかと思うと、突然、作画を務めるマンガ家がひとりに加わっていたのだ。それを私は編集部からではなく、自分の友人から「昨日、今度、沖田さんと仕事するマンガ家さんに会ったよ」と聞かされたのだ。

 名前を聞いても当時は知らなかった。それを編集部に確認すれば、「今から伝えるところでした」と言われたのだ。そんなバカな話があるだろうか。

 原作を務める私に何一つお伺いを立てることなく、マンガ家がひとり増え、それを私は編集部からではなく自分の友人から聞かされるのである。

 私にはとてもではないが、当時・前編集長と前編集長が連れてきた編集者がやっていたYouTubeチャンネル「ウラ漫」を楽しく観ることなんてできなかった。

 編集者には今一度、考えてもらいたい。編集者は作家にとっていちばん最初の読者となるのだ。その最初の読者の声をまずは何よりも大事にしたいのだ。それを忘れないでほしい。

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